m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.4 自由回答
m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.4 自由回答
2015年10月26日 高橋直純(m3.com編集部)
『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第4回「「近藤理論」を巡り医師とNP読者の意見の違い」。で紹介した、近藤誠氏が提唱する癌放置療法についてのm3.com医師会員、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。m3.com医師会員からは、「99害あって1利あり」「近藤氏はそのような理論を提唱するのであれば、一般書籍を出すのではなく、査読付雑誌への投稿をきちんと行うべきである」といった声が寄せられた。
記事本文はこちら。Q近藤誠氏が提唱する「がん放置療法」について、どう思われますか。
■■NewsPicks読者
【肯定的】
・進行性の癌については、痛み緩和治療を除き、長期間の治療は止める。・選択肢としてはありだと思います。
・切った張ったが、全てではないと思う。
・癌治療は医者や薬が治せるものではない。
【否定的】
・癌は怖いので、放置はできない。・寛解された患者も私の周りだけでも3人おられる。国全体で見ると大勢いるはずだ。
・医学的には間違っているけど、これなら医療費は極めて少なくて済みますね。(近藤氏のクリニックは自費だからお金がかからないとは言わないけど)。
・エビデンスに反する意見の規制は、国が実施すべき。その意見に染まった患者の対応に医師をはじめとする医療従事者の貴重な時間が取られ、他の患者にも悪影響。
・患者側に立った場合、やっぱりキチンと治療してほしいと思う。
・科学の進歩に背を向けている時点で、医療者以前に科学者として失格。こういう本が売れてしまうことが問題。人類は不可能に対する挑戦の歴史あってここまでの高みに来たことに対し、感謝するべきだ。そしてさらに高みを目指していく。より早期の癌を見つけたり、癌になる前に予防したり。その流れを医者であるはずの近藤先生が分かってないのが残念。雨上がり決死隊の宮迫氏が胃癌で手術して現在元気にテレビで活躍している事実に対して、近藤先生がどうコメントするのか聞いてみたいもんだ。
・無駄な治療かどうかは本人・家族が決めること。医師が「無駄」と提唱するのはおかしいと思う。
・エビデンスがないただの譫言。延命率が上がるなら本人が副作用等考えて決めるべき問題。
【その他】
・医師の意見は賛成、反対ともに経験に基づくもので、何が真実か判断できない。臨床試験を実施して検証してほしい。・全ての癌に対して、高い抗癌剤を使うことには否定的。苦痛を伴うのであれば、それを取り除く緩和ケアを推進すべき。
・本物の癌に対しては進行度によって治療が必要な場合もあるのではないだろうか。まあ抗癌剤は無駄だと思う。
・「ありがとう」の言葉に治癒効果もある。家族など周りの本気のサポート必要。
・効果があれば治療法は問わないが、癌と癌もどきの違いなど科学的に説明して欲しい。
・極論を述べているので危なっかしいが、むやみに治療することが正しいわけでないという点は同意。医者も勉強している医者と不勉強な医者がおり、患者は賢くなければ騙される。しかし、中途半端な知識で近藤氏の受け売りをそのまま自身に当てはめるのは大間違い。
・発症年齢にもよる。治療するか否かは医療従事者の提案までで、患者および身内が決定するべきことであると思う。
・近藤医師の意見が充分ではないと思うので判断に迷うが、治療よりも患者のQOLを重視した方がよいケースもあると思う。特に叔父の癌治療をみていて、そう思った。ただ、一般的に癌は一律で治療しないというのは常識的に受け入れられない。回復の見込みがある癌まで放置するのは医師による不作為殺人ではないのか。
・一般の人は擬似医学と医学の区別が付けられない。
・抗癌剤は、高齢者ではほとんどで意味がない。高齢者の寿命を半年伸ばすのに、保険からなん百万円も使うのは馬鹿げている。抵抗力を弱め、死期を早めるだけ。若者に対してや、血液の癌など、一部の癌は効果があるので治療すべき。
■■医師(m3.com会員)
【肯定的】
・治療しないのも選択の一つ。そういう考え方を広めたのは素晴らしいことと思う。さらに、対象患者を受け入れられる態勢づくりが必要と思う。・患者本人がどうするか決めれば良い。医療費削減のためには、内容の真偽はともかく、良いお考えだと思います。
・確かに「見つけた以上、何かしなければいけない」という現状は異常。患者の期待値が高すぎるのが問題。人間、いつか死にます。
【否定的】
・個別の案件をさも一般のごとく広めており、提唱者は科学者ではないと推察される。・賛成であれば医療機関を受診すべきでない。
・著者自身の「売名行為」。医療職者は読む価値なし。一般人に読まれると混乱を招く恐れがある。著者に対しては「いい加減にしろ」と戒めたい。
・国民は騙されている。
・一般向けはするだろうが、極端すぎる。何よりもの問題は著者が本当に患者さんを想って書いたのではなく、自分の名をあげることが目的であること。
・大腸癌の肝転移を切除して治癒する人たちもいます。まったくもって理解に苦しみます。真に受ける国民がかわいそう。正確な情報を提供すべき。
・癌と癌もどきの区別ができる技術を構築してほしい。
・医師とは思えない。
・転移があっても完治するケースはあります。彼は無知なだけです。
・近藤氏には、ひどく残念に思う。勘違いさせられている患者がたくさんいる。
・臨床を知らなすぎる。実際には、きちんと癌の患者さんの診療にあたっていないのがすぐにわかる。
・他の治療も理解した上で放置を選ぶのであればいいが、放っていた方がいいというのは乱暴であるし犯罪的。
・全く信頼に値しない内容であり、このようなデマに踊らされた挙げ句に受診に至る患者を診たくありません。
・最後はまともな医師が近藤先生に騙された患者のフォローをすることになっている。
・責任を伴わない近藤氏の発言は、日常診療において非常に迷惑である。
・無責任な主張でデータのこじつけと誇張が激しすぎる。手術や抗癌剤などを一般の方はできるだけ避けたい心理を利用したいわゆる詐欺のようなものです。その上、放置させて悪くなっても責任を取らないので日本の医療の足を引っ張る老害だと思います。セカンドオピニオン外来で稼ぐ悪人といってもいいでしょう。
・最近の抗癌剤の進歩で、転移していても治療すると停滞してくれて、長く予後が得られる方々が増えていると実感がある。近藤氏の説明では,これが納得できない。
・全くの「机上の空論」。宗教家だと思う。
・極論であり、徐々に進行するが治癒可能な癌があることを無視している。早期発見早期治療の効果が検証されるのはこれから。
【その他】
・99害あって1利あり。・近藤氏はそのような理論を提唱するのであれば、一般書籍を出すのではなく、査読付雑誌への投稿をきちんと行うべきである。
・確かに、最後の最後まで「戦う」必要はない。
・著者御自身が癌になられた時は、本当に治療されないのでしょうか。
・結果について責任が取れるならそれでもよい。
・近藤先生が癌になって、証明してみてください。
・終末期の治療に対し国民に考えさせる機会を与えたことは意味があると思うが、科学的根拠は乏しいと思います。
・反対する点がほとんどですが、長く経過を見ないと正しさの検証はできないと思います。問題となる年齢(若年発症ならどうするのか)や、自分の身内にそのような問題が発生したときに、果たしてそうできるのか?
・選択するのは患者の自由だが根拠の乏しい癌放置療法をことさらに取り上げて報道することは間違っている。
・治療すればよいのかという警鐘。
・医学会も近藤誠を放置してきた責任は重い。
・患者が癌を理解したうえで放置することには同意する。
・各学会が公式に見解を述べるべき。
・2種類だけではなく、治療が有効なものもある。しかし、放置がいいものまで治療している現状も否定できない。
・有効性がはっきりせず、患者や家族に経済的に負担の多い治療法がないことはない。
・癌についての説は判断を留保するが、彼の目的が医学への貢献ではなく、自身への利益誘導であることは判然としている。
・マスコミでなく学会でも発表してほしい。
・個人的には早期発見・早期治療が望ましいと思う。
・「癌放置療法」を政府が放置するのは医療費の削減の意図があると思います。
・「本物の癌」と「癌もどき」理論は、全ての結果に対応できる、まさに「後出しじゃんけん」の屁理屈。どのような経過でも癌死に至れば「本物の癌」でした。全うな医師が全力で治療した結果、再発なき寛解に至れば、「癌もどきで何もしなくても治ったのだ」と言える。これでは、議論すること自体が無意味。最初から「本物の癌」と「癌もどき」を100%鑑別してくれる理論なら絶賛します。ただし、『医者に殺されない47の心得』を含め、同氏の著書は1冊も読んでいない(同氏の収入を増やすだけでばかばかしい)、同理論の詳細を知らない1医師の意見です。
・対照群を作ることができず、結果論なので検証しようがない。科学的な証明ができるといいと思う。
・言論・表現の自由は誰にでもある。
0 件のコメント:
コメントを投稿